起業する際に一番重要と思われるのが、資金繰りの計画です。
自己資金や銀行借入が中心となりますが、助成金も是非ご検討してください。
助成金は返済の義務がありませんから、一番有利な資金調達手段です。
そこで、今回は、厚生労働省の「受給資格者創業支援助成金」をご案内いたします。
雇用保険の受給資格者自らが創業し、創業後1年以内に雇用保険の適用事業の事業主となった場合に、当該事業主に対して創業に要した費用の一部について助成する制度です。
法人・個人いずれも助成対象となります。
【制度の概要】
雇用保険の受給資格者自らが創業し、創業後1年以内に継続して雇用する労働者を雇い入れ、雇用保険の適用事業の事業主となった場合に、当該事業主に対して創業に要した費用の一部について助成することにより、失業者の自立を積極的に支援するもの。
【受給できる事業主】
1 雇用保険の適用事業の事業主であること。
2 次のいずれにも該当する法人・個人を設立した事業主であること。
(1) 当該法人等を設立する前に、法人等を設立する旨をその住所又は居所を管轄する都道府県労働局長に届け出た受給資格者であったものであって、当該法人等を設立した日の前日において、当該受給資格に係る支給残日数が1日以上であるものが設立したものであること。
(2) 創業受給資格者が専ら当該法人等の業務に従事するものであること。
(3) 法人にあっては、創業受給資格者が出資し、かつ、代表者であるものであること。ただし、法人の設立に際して出資を要しない場合にあっては、創業受給資格者が代表者であるものであること。
(4) 当該法人等の設立の日以後3か月以上事業を行っているものであること。
3 当該法人等の設立の日から起算して1年を経過する日までの間に、一般被保険者を雇い入れ、かつ、当該者を助成金の支給後も引き続き相当期間雇用することが確実であると認められる事業主であること。
4 法人等を設立する前に、管轄労働局に「法人等設立事前届」を提出した者
【助成の対象となる費用】
次の(1)から(3)までに掲げる費用(人件費を除きます。)及び当該法人等の設立の日から起算して3か月の期間内に支払の発生原因が生じた(4)から(7)までに掲げる費用(人件費を除きます。)であり、かつ、支払に係る契約の日(法人等設立事前届の提出日後の日に限ります。)から第1回目の支給申請時までの間に支払が完了したものです。
(1) 当該法人等の設立に係る計画を作成するために要した経営コンサルタント等の相談費用等
(2) 当該法人等を設立する前に、創業受給資格者が自ら従事することとなる職務に必要な知識又は技能を習得するための講習又は相談に要した費用
(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、当該法人等の設立に要した費用
(4) 当該法人等に雇用される労働者に対し、その者が従事する職務に必要な知識又は技能を習得させるための講習又は相談に要した費用
(5) 創業受給資格者が自ら従事する職務に必要な知識又は技能を習得するための講習又は相談に要した費用
(6) 当該法人等に雇用される労働者の雇用管理の改善に関する事業(労働者の募集・採用、就業規則の策定、職業適性検査の実施等)に要した費用
(7) (4)から(6)までに掲げるもののほか、法人等の運営に要した費用
【支給額】
支給額は助成の対象となる費用の合計額の3分の1に相当する額(その額が150万円を超えるときは、150万円)です。また、法人等設立日から起算して1年を経過する日までの間に上記Ⅰの3にある一般被保険者を2名以上雇入れた場合は、50万円を上乗せ支給します。
(ポイント)
何と言っても、創業の前に申請しておく必要がありますので、お早目にご検討することをお勧めします。要件はそれほど厳しいとは思われないので、比較的利用しやすい助成金ではないでしょうか?